浜松市・まかないや(賄家)


 これは自宅兼仕事場の木の家です。 賄家(まかないや)というのは、お客さんの家でチャレンジできなかったけど少し実験したいこと、自分の家だから多少ラフな材料でもうまく仕上がればいいかとか、もちろん在庫の半端材の活用も含めて、チャチャっとレストランの賄い食のように取り組んだ自宅です。

 

 敷地はみかん畑の跡地で、周辺もみかん畑やら、茶畑や野菜畑がポツポツある典型的な郊外の風景に囲まれています。 市街化調整区域ですが浜松市の大規模既存集落内の自己用住宅建築という制度を利用し、取得した土地での新築です。道路は北・東の二方の角地で、これは選んだと言うよりは出会った土地がそうだっただけ。 敷地は以上のような背景から安価で取得できたため100坪で比較的ゆったりとスペースが取れました。

 

 最初から決めていたことを何点か。

・薪ストーブを設置して、オープンな間取り。

・エアコンはなるべく使わずに済む程度の断熱と通風の確保。

・もちろん、木を多く使った家。 しかしながら山小屋然とした家はNG。

・窯業系サイディングは使用せず、木と左官の外観とする。

・お客さんに説明するために木製建具の全開感を重視。

・庭との有機的なつながり。

・庭にも働いて(笑)もらうため、家庭菜園の取り組み。

 

住宅の完成後庭にも手を出し、植物の成長に助けられそれっぽい雰囲気が徐々に出て来ました。 今後もう少し成長して、街並みに貢献できる家になる予定です。

 

<施工> 内藤材木店 菅沼大工