浜松市・つきのや(月乃家)


施主Nさんと出会ってから竣工引渡しまで3年程経ったでしょうか。

 

「木の家を建てたい。」というのと「ありきたりのハウスメーカーではつまらないので。」ということであちこち探して当事務所に電話を頂いたのが最初のきっかけ。その頃は、まだこの土地は大規模造成中で、Nさんと一緒に区役所に出向いて換地前の公図と土地台帳を見比べ、めぼしい土地の仮換地の所有者を探したり、UR都市機構の仮換地の公開情報を探したりと土地探しからお手伝いさせて頂きました。

 

 Nさんとの体験で学んだことは、「いい土地は、市場に出る前に探せ。」ということ。余談ですがこの後の私の土地探しも図らずもそうなりました。

 

 そして巡り合った土地は南面道路でその向こうに公園のある恵まれた立地。サイディングで覆われたハウスメーカーの住宅が林立する中で、主張しすぎず、「おっ!」と思えるような存在感を目指しましょう、と計画が始まりました。友達や親戚を呼んで楽しみたい、とか仕事が終わってから映画を見ながらそのまま寝たい、などといった生活にまつわるこだわりの要望を元に数回のプラン打ち合わせをし、2階リビングそれに連続するバルコニー、1階に個室を配置するという空間構成になりました。

 

 リビングは勾配天井としロフトとの連続感を作り出し伸びやかな空間としました。また「ブランコ吊れますかね?」のつぶやきで決まった木製ブランコも木と漆喰の空間と調和し、暮らす楽しさを演出するのに一役買っています。

 

 外構植栽は急がずにこれから進みますが、きっとNさんのこだわり溢れる仕上がりになることでしょう。

 

<施工> 株式会社 菅沼住工