4月に入っても肌寒い日があり、春らしい春の到来を今一つ感じられなかったのですが、GWが明けて最近の日中の日差しはもはや「夏」!
浜松の街並みにも緑があふれ、この心地よい春の陽気の中、今回は「庭に木を植えること」の素晴らしさについてお話ししたいと思います。
家づくりにおいて、私はよく「建物の床面積を1坪か2坪減らしてでも、その分を外構や植栽の予算に回すべきだ」とお伝えしています。建物単体で完結させるのではなく、庭にいくらかの費用を割いて木を植えることで、住まいには驚くほど豊かな生命感が宿るからです。植栽が完了した瞬間の建物の表情は、それまでの「ハコ」の状態とは比べものにならないほど、瑞々しく魅力的なものに変わります。
私が手がける自然素材の家もそうですが、庭の木々もまた、住まい手と共に年月を重ねていく「生き物」です。新築時に植えた苗木が大きく育つように、人が住み、暮らしが彩られていくことで、家も絶えず成長を続けます。春には桜や新緑を愛で、夏には木陰を楽しみ、秋には紅葉を拾う。そんな季節の移ろいを身近に感じる暮らしは、単なる「住宅」という入れ物を超えた、家族にとっての真の「心の拠り所」になっていくはずです。 私も普段から、剪定ついでに、枝を一本切り、一輪挿しにポン、と入れて身近に緑を楽しんでいます。
また、庭に木を植えることは、子供たちの感性を育む「住育(じゅういく)」の観点からも非常に大切です。かつて私自身も、庭でゴーヤを育てたり、子供と一緒にカブトムシを観察したり、セミの抜け殻を探したりといった何気ない日常の中に、かけがえのない愉しみを見出してきました。
「手入れが大変そう」と心配される方もいるかもしれませんが、手の掛かりにくい樹種であれば、長いあいだ家族を見守ってくれる存在になります。まずは一本、自分の好きな木を植えることから始めてみませんか。 悩んで完成した住まいに、庭の木々が少しずつ馴染んでいく様子を眺めるのは、設計者としても、一人の住まい手としても、何物にも代えがたい「暮らしの愉しみ」なのです。
浜松市で「木の家に暮らす愉しみ」をデザインしています。
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