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京都市左京区・駒井家住宅(駒井卓・静江記念館)

京都大学理学部元教授のお住まいは、何とW.M.ヴォーリズの設計

 私は昨年、ヘリテージマネージャーの講習を受講し、静岡県の「地域文化財専門家」の認定を受けました。文化財の保存及び活用についての研鑽を積んでいくことをライフワークにしたいと考えています。  以前から、是非見学したいとグーグルマップにメモっていた建築、駒井家住宅。京都大学理学部教授の教授をされていた駒井卓博士のお住まいです。  設計は、以前近江八幡市あたりを旅行した際にずいぶんと見かけた名前、W.M.ヴォーリズ。 歴史に名を残す建築家でありながら、メンソレータム(メンターム)で有名な近江兄弟社を築いた、実業家と言うのですから驚きの人物です。

NHK連ドラ「マッサン」のロケにも使用

 行く前に下調べをしてみると、「マッサン」のロケにも使用されたとのこと。映像を見てみるとこの一角です。窓の向こうにはゆったりとした庭が広がり、午前の陽も入り、心地よく過ごせるように設計されています。現在は周辺は住宅地となっていますが、当時は田畑ばかりだったそう。白川疎水に面した魅力的な土地です。リビング、ダイニングには、特に午前の陽射しを入れたい、心地よい住宅設計のセオリーが実践されています。

開口部と階段のまとめ方は、「ザ・西洋住宅」

 階段を緩やかに作ることは、それだけ階段に面積を割くことになり、実はとても贅沢なこと。ただ、駒井家住宅でこの階段と窓の組み合わせを見ると、そんなケチ臭いことを忘れてしまうほどに、この家の意匠の一つとして存在しています。 このあと紹介しますが、書斎で論文を書いていた博士が、食事のためにこの階段を降りてくる、あるいは日々の暮らしで昇ったり降りたり、そんな生活の様子を想像することも、私にとっては古い住宅訪問の大きな楽しみ。美術館などの公共建築や寺社仏閣を見る楽しみとはまた違う、設計の糧となりそうな貴重な「栄養源」です。

今にでも博士が帰ってきそうな書斎

 博士の書斎ですから、やはり執筆の捗る場所に設けられています。仕事の最中にふと、顔をあげると100年前の当時は田畑ののどかな風景が広がっていたことでしょう。白川疎水の桜並木も当時からあったでしょうか。作り付けの本棚にも学術書籍が満載。まさに研究者の本棚です。 こうして、当時の様子が分かる住まいを見学すると、スクラップアンドビルドではなく、歴史に耐える建物を残すことが設計者の責任と努めだな、と実感します。

 

駒井家住宅

【所在地】

京都府京都市 左京区北白川伊織町64

 

【アクセス】

①鉄道

 叡山電鉄「茶山・京都芸術大学」駅下車 徒歩約7分

②市バス

・3号系統

 四条河原町・松尾橋行き「伊織町」下車 徒歩約2分

 北白川仕伏町行き「北白川小倉町」下車 徒歩約4分

・5号系統

 国際会館駅・岩倉行き、三条京阪 四条河原町 京都駅行き

 「上終町・瓜生山学園京都芸術大学前」下車 徒歩約4分

・204号系統

 金閣寺・円町行き、烏丸丸太町・円町行き「伊織町」下車 徒歩約2分

*駐車場はありません。