
きっかけは、浜松市の文化財救済ボランティア講座
先月、2月のことです。 浜松市主催の文化財救済ボランティア講座があると聞き、「講座会場の引佐町なら近いし、行ってみるか」と内容もあまり知らずに軽いノリで行ってみました。
紙資料文化財の修理と取り扱いがとても興味深く、和紙の材料である、楮・ミツマタの説明を聞きながら、ちぎったり割いたり、和紙の強さを体験しているうちに、「子供が転がって破れる可能性があるから、破れない和紙風のシートでとりあえずいいかな。風合いもそんなに悪くないし」と、長年誤魔化していた自宅の障子の黒歴史を思い出したのです。
我が家は、築14年。夫婦+子供2人で寝ていた和室も、子供がそれぞれ個室に移動し、さらには進学で家を出ると、ごろごろ転がって障子を破る心配もありません。 思い立ったが吉日。障子張替え計画の始まりです。
鎌倉時代から作られてきた、手漉きの山中和紙
さて、何を貼ろうかと考えたときに、WEBで見かけた、鎌倉時代から800年続く和紙、というパワーワードを思い出しました。岐阜県飛騨市の山中和紙です。 昔、家族でスキーに行った岐阜県の飛騨地域の河合という集落にも魅かれ、連絡を取ってみると、通信販売も可能とのこと。 必要な枚数を数えて早速注文しました。 手漉きのため寸法に制約があり、2尺x3尺(約60センチx90センチ)のため、マス目を数えながら必要数を割り出します。 自宅の障子は、建築業界では「吉村障子」とも呼ばれる、歴史的建築家、吉村順三氏考案の框と組子を18mmに統一した意匠で、大きな横長のマス目が特徴。設計時から2尺x3尺の大きさは意識してデザインしてあったので、無駄無く4マス分を張ることが可能。
和紙を巻いたゆうパックが到着
思いの外、早く山中和紙がくるくるっと巻かれてゆうパックで届きました。 時間がかかると思っていたので心の準備はまだでしたが、届いたからには、放置しておくわけにも行きません。さっそく貼ってみます。
まず、今までの和紙風シートを剥がす必要があります。このシートはノリではなく、両面テープで貼られているので木の繊維が剥がれないように糊残り無く、丁寧に剥がす必要があります。 最後に長年掃除していなかった桟を水拭きし、紙貼りの作業開始です。
さも、慣れたような体裁ですが、実は障子紙を貼るのは初めてなのです(笑)。まずは寝室の小さな方の障子から作業開始。ノリははみ出し、和紙の位置がズレたり、前途多難なスタート。 若干の後悔をしながら、最後に霧吹きで多めに湿らせて作業完了。 ホントに、これで大丈夫なのでしょうか・・・不安。
霧吹きで驚くほどにピンと張る、ヘタウマの妙
作業に夢中で写真を取り忘れてしまいましたが、勢いで始めてしまった、私の障子張替えも腰窓の2面を終え、3面4面に進むころには、余計なところにノリをつけない養生のコツもなんとなく見えてきて、人様からお金はもらえませんが自宅ならまあいいか、となりました。
それにしても障子紙を張り替えると、透過率が上がったのか部屋が明るくなることにビックリ。
年数が経つと、黄色くなるか思いきや、楮の雪晒しの延長で段々白くなっていくのだとか。模様替えのつもりで障子紙の張替え、オススメです。
