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良い建物は想像力を刺激する(2025大阪市中央公会堂)

建築士会大阪大会へ

先週のこと、建築士会の会合で大阪市に行ってきました。

前日開催の全国ヘリテージマネージャーネットワーク協議会の会場は、なんと国指定重要文化財の大阪市中央公会堂! 歴史的建築物好きには、憧れの建物です。 私は、趣味のマラソンで以前大阪マラソンに参加した際に横を走り抜け、「いつか中を見てみたいな」と思ったまま、長い時間が経ってしまいました。

大阪市中央公会堂の内部へ

歴史的建築物が移築保存された、博物館明治村も貴重な存在でもちろん大好きなのですが、本来の場所で生きて現役で使われている建物の内部に入る楽しみと喜びは、やはり移築保存とは比べられません。1918年11月に開館した建物が、保存再生工事を経て、いまなお多くの人に使われていること、行政や市民、企業に支えられ中之島にあり続けること、文化度の高いなんと素敵なことでしょう。

満員の観客が、ここでオペラやコンサートを鑑賞したことを想像すると、建物は使われてこそだ、との思いを強くします。

ここが大阪市中央公会堂の階段です。「建築マニアは、階段を見る」なんて、言葉があるか知りませんが、私は設計事務所の修行時代に階段の設計の難しさを常々感じていました。

 

この写真ではないですが、有名な建築家の村野藤吾先生の作品は、特に階段が見どころと言われています。 「村野作品は、階段がキモ」なんて、ボソッと言うと、建築マニアっぽく聞こえます。お試しを。

良い建物で建築の栄養摂取を

全国どこにでもある、コンビニのような建築ではなく、たまには凝った建物を見ると、いいな、とか気持ちよさそうだな、と私は心底感じます。 この日は、他にも船場・北浜エリアの優れた建物をたくさん見学しました。

 

仕事の設計でも、時として野球の投球で言うところの「置きに行く」デザインにならざるを得ないこともあります。 ただ、こうして規模、時代関係なく、優れた建物を見ると、今度あれやってみよう、これやってみようと、発想力がムクムクと膨らんでいくのです。 建築設計は私にとって、本当にありがたい仕事です。