街の記憶は建物とともに

8月中旬に私にとって、なかなかショックな情報が耳に入った。

 

父が北海道出身で伯父伯母が札幌に住んでいたこともあり、北海道大学に入学する前の幼少期から何度も足を運んだことのある札幌、その札幌駅に隣接して建つ(建っていた)、旧札幌そごう(最後はESTA)の閉店解体の話。45年の歴史と報じられていたのでまあ、そこそこ高齢の建物だ。

 

昔から寝台特急に憧れていた私は、受験や引越の際に「北斗星」を利用した。 豊平川を渡り、そろそろ札幌駅に着くぞ、と徐行する頃、進行方向左手に見える「そごう」がとても眩しく見えた。 また、北見市の父の実家に行く際の高速バスもそごうのバスターミナル発着だったため、思い出深い場所だ。

 

そごう自体、すでに閉店し、ビックカメラ、ユニクロなどの全国どこにでもある店舗が入っていたようだが、やっぱり私にとっての記憶は札幌そごう。伯父さん伯母さんにレストラン街でご馳走になったな、など懐かしい。

 

やはり、街中のデパートって昭和の子供の記憶にはクッキリと残るほど存在が大きい。今でこそ、郊外のショッピングモールに主役を奪われた感はあるが、浜松市でもデパート全盛期の「松菱」、「西武」の存在感は圧倒的で、小学生の頃の私には都会に見えたものだ。

 

街の記憶は、建物とともにある、そんなことが思い浮かんだのと同時に、浜松市の中心地に今も手つかずで残る「松菱」跡地はそろそろ何とかならないかな、とふと思う。

 

でも、車社会の浜松で駐車場代を払ってまで行きたい商業施設があの場所で成立するのだろうか、中々難しい問題かも知れません。きっと開発業者も悩んでいるのでしょう。