市街化調整区域と農用地除外

農用地 市街化調整区域
みかん畑跡地の自宅

市街化区域と市街化調整区域ってご存知ですか。

 

都市計画法によると

・市街化区域→すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域

 

・市街化調整区域→市街化を抑制すべき区域

と定義されています。

 

都会では、市街化調整区域はさすがに少ないと思いますが、少なくとも浜松市には多く見られます。 市街化調整区域では、原則人が住むための住宅や商業施設などの建設は認められていません。 自治体に許可を得ることができれば、建設や建て替えなども可能ですが、基本的には許可申請が必要であり、その際にも広さや土地利用には制限があります。 基本的に借家はできません。

 

 市街化調整区域の中には農地が多く見られ、その中にも都道府県知事により農業振興地域が指定され、農用地区域として指定される地域があります。 これが青地農地です。 一方、白地とは、「農業振興地域内農用地区域外農地」のことを言い、青地に対して「白地」と呼ばれています。 特徴としては、農地の集団性が低く、土地改良事業を実施していない等の理由から青地の指定がされておらず、青地と比較すると農地以外への規制は比較的緩くなっています。 農振除外は必要ありませんが、農地転用は必要です。

 

 浜松市では、昭和47年(旧細江町は51年)に市街化区域と市街化調整区域を分ける線引きが行われたこともあり、郊外には市街化調整区域内に以前からの集落が多く残ることになりました。 そのため平成21年より旧浜松市外も含めた大規模既存集落制度が制定されました。 この制度は、市街化調整区域に長年居住している方(またはその子)が、長年居住してきた指定集落への集住による地域コミュニティの維持を目的として制定され、都市計画法施行令及び市条例で規定されております。持家がなく世帯を有している方を対象とし、居住している地域(連合自治会区)の中にある大規模既存集落内の土地に、自己専用住宅を建築できる制度です。

 

 私自身もこの制度の制定後、農用地除外を受けたみかん畑を購入し、農地転用を行い、自宅兼事務所を新築しました。 業務フローを経験したかったこともあり、不動産業者および地主さんの御理解もあり、完全にDIYで農用地除外申請、農地転用を行いました。 業務として扱うことはありませんが、一通りの流れは把握しています。

 

 農用地除外申請の受付期間は、年2回しかなく、2月・7月あたりの2週間のため、長期的な新築計画が必要になります。 と言っても、仮プランで除外申請を提出し、申請から許可までの半年近い期間のうちに設計の詳細を詰めていくと考えれば、さほど無駄な空白期間があるわけでもありません。

 

 いい土地に巡り会えると、土地取得のコストが大幅に低減できますので、建物にかける予算を増やすことも可能となります。 まずは、指定エリアに居住歴があることが最低条件ですので、可能性がある方は調べてみてはいかがでしょうか? 当事務所への相談も可能です。

 

参考リンク:浜松市HP(青地を白地にしたい)