杉板の外壁・目板押さえ

 窯業系サイディングが、世の中の大半を占める現在、個人的にオススメなのは、杉板張りです。 きれいにサネ加工や相じゃくり加工がされたものもありますが、我が家で使ったのはノコギリで製材したままのザラザラの荒板の目板押さえという工法でした。 適度な凹凸もあり、表情豊かな外壁が出来上がります。

 

 ちょうど自宅建設のときに、手間請けで入ってもらっていた大工チームが他現場に行く用事があり、一ヶ月ほど抜けることになりました。 さすがに一ヶ月現場が進んでいないと「どうしちゃったかしら」と、ご近所さんも心配するかと思い、自己責任で杉板のカット、塗装、釘打ちを行いました。 要領は見様見真似で知っていたのと、手打ちのステンレス釘で目板で押さえるとアラが見えないことも分かっていたので、目板の垂直だけ測りながら実験としてDIY施工にチャレンジしました。

 

 なお、12年経った今でもノートラブルほぼノーメンテです。一箇所、木目が浮いてきたところメンテしましたが、一本外して取り替えるだけで簡単に済みました。 施工もそこそこ手間がかかるのですが、特筆すべきは塗装ですかね。

 

 まず、ザラザラの粗板なので猛烈に塗料を吸います。使用した面積の割にキシラデコールの購入量が多いのは、杉板に吸われたせいです。 ただ、3回塗りでかなり吸われた分、耐久性は抜群です。

 

 我が家にはDIY施工の板塀もありますが、こちらはプレーナー仕上げのためザラザラの荒板ほど吸い込まず、3年に一度くらい気になったら塗ってお化粧しています。

 

 木を外部で使うと言うと、腐食を心配される方も居ると思いますが、使うのであれば「樹芯に近い赤身」「陽の当たるところで」「水がすぐ切れる使い方」を守ると、窯業系サイディングよりも長寿命で味のある外壁材として使えると思います。

 

 また、木材保護塗料として有名なキシラデコールでなくても、ウッドロングエコという木材保護保持剤を使うと、塗膜とは違った経年変化が楽しめるようです。 ということで、今日は杉板でも外壁に使えますよ、というお話でした。