薪ストーブの季節が近づいてきました(後編)

さて、後編です。

薪ストーブを設置したいのですが、というリクエストをよく聞きます。

私自身、薪ストーブユーザーですので実体験に基づいたリアルな声をお届けしようと思います。

 

・まずは、焚くモノがなくては始まらない
 当たり前ですが、これがすごく重要。 薪ストーブ愛好家は、薪ストーブを見るだけでも、気持ちが盛り上がると思いますが、見ているだけでは少しも暖かくなりません。 さて、何を焚こうかと思ったときにホームセンターに行ってはいけません。 一万円分くらいの薪は数日のうちに燃えてしまいます。 では、どうすれば?

 

 正解は、家が建つ前に薪の目星を付けて用意しておくのが正解です。 そんな事、今更言わないで、と思われるかも知れませんが、薪ストーブライフは家が建つ前から始まっています。 夢のマイホームが出来上がるワクワクと、剪定木をいただけそうなルートを開拓するハンターのような獲物を探す、したたかさを心のなかに持ち合わせていなくてはいけません(笑)。 ちょっと大げさすぎましたか。 エコと同時にセコを目指すのであれば、これは重要です。

 

・エアコンのように突然消すことは不可能

 設置したとき、私も不安でした。当然タイマー着火もできません。 燃えるものがなくなれば自然に消える。超アナログなのです。 

 

 私が心がけて居ることは、出かける前、寝る前など目を離す直前にはストーブの操作をしないこと。蓋の開閉時にポロッと落ちた火の粉が知らないうちに何かの拍子で着火することが一番の恐怖。 居間にあれば大抵誰か居ますので例えば30分何事も起きなければ、その先も火の粉からの着火の可能性は相当低いと思います。 触らず放置で良いのです。 薪ストーブをあまり構いすぎないこと。 

 

・どこに設置するのか

家電と違い、薪ストーブは設置場所が重要。

 

 煙突のルートも重要ですし、薪の搬入ルート、そもそも目の届く場所で火を楽しむことができなければ、意味がありません。

煙突をスムースに上階に伸ばして排気しつつ、火災の問題のない範囲で煙突からの放熱でやんわりと2階も暖めるのがベターだと考えます。

 

 忘れていけないのは、煙突掃除のこと。 毎年、プロにメンテナンスを依頼する方は問題ないですが、割と薪ストーブに興味を持つ方は、面倒なことを自分でチャレンジしたい派が多いように思います。 DIYメンテナンスを考えるのであれば、バルコニーや下屋から屋根に登るルートを考えておくのが良いと思います。

 

・日々の薪の供給ルートも重要

 家の外に薪を置くスペースを作ることは、ご理解頂けたと思いますが忘れがちなのは、日々の運用方法です。 太い薪にいきなり着火できるわけでもないので、小枝や割薪の準備も大切。 これらは、出入り口のすぐ外におけると便利。 さらには、雨混じりの風が吹く時って当然ありますよね。そのときは、薪棚ではなく薪も出入り口近くに雨の当たらない状態で保管したい。 そうすると、私個人の考えとしては屋根のかかったウッドデッキを出入り口とし、薪ストーブとの距離はあまり離さない方が良いというのが、私が経験で学んだ設計のコツです。

 

 あと、状況が許せば、ストーブ周りは木屑や木粉で汚れますので一段下げて土間床にするのも良かったのかも、などと個人的には思っています。 正直なところ、「G」が紛れ込んでいたり、生木だった頃についた虫の残骸が有ったりするので何日も暖かい家の中に置かないほうが良いかと思います。 ヤツらが目を覚ます前にサッと燃やしてしまう作戦です。 

 

 薪ストーブ設置は、間取りを一変させるほどの影響があるので、建主側も導入には覚悟が必要、と考えています。 コツコツと薪集めから薪ストーブライフを楽しみましょう。