浜松市・つどいや(集家)


 敷地内に一部既存建物を残した建替えの住まいです。 施主Mさんとは、不思議なご縁でつながりました。 我が家の長男が2歳か3歳だったころ、絵本「おおきなかぶ」のおもちゃを千葉市の親せきから頂きました。

 

 そんなことをすっかり忘れるほど時間が経ってから、そのおもちゃは浜松の木工職人が作っていることを知りました。 当事務所に来てくださる施主さんは、小さな子供さんがいらっしゃることが多く、「そうだそうだ、竣工祝や出産祝に木のおもちゃを贈ってみよう。」と私は工房を訪ね、Mさんと初めてお会いし、木のおもちゃを購入しました。

 

 それからまたしばらく時間が経ってから「あのー」と電話がかかってきて「木の家を建てたいのですが・・・」、電話の主はそのMさん。  木のおもちゃを購入したら、木の家を建てさせて頂けた、という嘘のような本当の話です。

 

 Mさんは材種問わず木が大好きなのです。 そのため頂き物の端材や仕事仲間からの半端材のオファーがあり、何をどこに使うかを考えることに神経を使いました。 数量チェックや検品、塗装の手伝いも懐かしい思い出です。

 

 ベニヤを張るより安い、杉の厚板が山ほど届き、かなり贅沢な木の家を建てることができました。 仕事をしていると不思議なめぐり合わせってあるもんだなと、特に思い出深い仕事となりました。