家作りを楽しむ(自発的家作りへの誘い)

 「そろそろ30代だし・・・・」「子供が大きくなってきたし・・・」の枕詞のあとに、「マイホームを建てなくちゃ!」という義務感が伴う言葉が続くのは、どう考えても悲しい。 「もっと楽しめば良いのに。」たくさんの依頼人の喜びの現場に立ち会ってきた私の正直な感想。

 

 「頭金も貯まったし・・・」、「アパートには飽きたし・・・」、「趣味の部屋を作りたいから・・・」「薪ストーブを楽しみたい」という前向きな理由で「家を建てたい!!」というのが、家族にとっても幸せな流れだというのが私の考え。  薪ストーブを取り入れてみたいというお客さんに良く出会います。きっといくつになっても心の奥底にある「男の子」の部分にヒットするんでしょうね。見積が出揃う前から薪集めをはじめ、「薪ストーブ止めますか」なんて私が言い出せなくなってしまう程の情熱を依頼人が見せてくださると私もより一層やる気が出るものです。これは実話です。

 

 こんなに楽しいことを自発的に取り組まないのは、実にもったいない話です。  他にもキッチンにとことん夢を反映させてみるお母さん。インターネット配線に興味のあるお兄ちゃん。自分の部屋の広さが気になって仕方ない子供たち。自分の居場所を心配しているであろうペット達。一軒の家に、いろんな夢をぶつけてみる。

 

 みんなの要求具合を微笑んで観察させて頂きながら、私はプランをいつも考えます。  実現の可能性には、とりあえず目をつぶって、まずは夢をどんどん広げましょう。考えるだけなら、無料ですからね。皆さんが抱えている思い入れ、隠さずに どんどん見せてください。大学ノートでもスケッチブックでも書き留めることが大切です。パソコンで清書してお行儀良くし過ぎるよりも、手書きでコーヒーの シミや子供の落書きがあるほうが私は魅力を感じます。流行っているからという理由では無く、自分達は何を求めているのか考えることが大切です。模範解答は無いのですから。